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其の十三、 河忠酒造 初呑切り 2009年7月17日 |
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今日は、銘酒「想天坊」の醸造元である河忠酒造(株)様で「初呑切り」の行事があります。
河忠酒造(株)は、新潟県長岡市脇野町にある老舗の酒造蔵です。
創業は、なんと明和二年(西暦1765年 江戸時代)です。
現当主は何代目になるんでしょうか?
朝8時、JR長岡駅で東京、横浜の飲食店さんと合流して早速現地に向かいます。
長岡市内を分断して流れる信濃川をわたると車窓に緑の田園地帯が広がります。
信濃川の下流に沿い和島、寺泊、出雲崎方面に向かって車でおよそ40分で到着です。
脇野町は山裾に繋がる小さな町ですが、昔は代官所があったとも聞いています。
この小さな町に酒造会社が3軒、味噌屋さんが1軒、製麺会社が1軒 古き時代より営業しています。
水が綺麗で米の豊かな収穫がある土地です。
蔵に着くと蔵人が忙しそうに働いています。
河内社長にご挨拶をして、まもなく初呑切りが始まります。
河内社長は「想天坊」ブランドと立ち上げられた青年社長です。
「初呑切り」には、毎年参加させていただいています。
初呑切りは春3月から4月の皆造(かいぞう)後に迎える最初の大きな行事です。造りを終えてタンクに貯蔵された酒の熟成状態を同時いっせいに検査します。
主な目的は、火落ちの有無と熟成状態のチェックです。
衛生管理が徹底して、製造技術の進んでいる現在では火落ちの心配はあまりありませんが、熟成の度合いをチェックすることで、この後の出荷状態が決まってきます。
他所で呑みを切る現場を見せていただける機会はあまり無いと思いますので貴重な経験です。
ここでは呑み口を切った瞬間の「切りばな」を試飲することができました。
杜氏さんによるとこの瞬間の香りで酒の状態が良くわかるとのことでした。
河忠酒造(株)の郷良夫杜氏は、酒造りの道に入って50年以上のベテラン杜氏です。
これまで、卓越した技能者県知事表彰、黄綬褒章受賞、関信越清酒鑑評会17年連続金賞受賞、国税庁主催全国新酒鑑評会(現独立行政法人酒類総合研究所主催)において、過去十年間に七回金賞受賞等の輝かしい実績を残している新潟を代表する名杜氏です。その他にも、新潟県酒造杜氏組合連合会会長、日本酒造杜氏組合連合会副会長、越路町酒造り歌唄継ぐ会会長なども兼任されています。
さて、いよいよ一同に集められたお酒のティステングです。先ずは、試験場の先生によるティステングが始まり、その後に蔵人たちに混じって私達のティステングです。
テーブルの上にはラベルの無い透明瓶(酒の状態がよく見える)が並べられ、容器番号だけが表示されています。
手渡されたチェック紙に製法区分、熟度、香味の評価などを次々と書き込んでいきます。
タンクナンバーだけ記入されたチェック紙に、利き酒だけで製法区分や熟度や味わいのコメントを記入するのは毎年緊張します。
この時期としては適熟の酒が多く、そのほとんどが口当たり柔らかく素直な酒であると感じました。
この蔵の酒は、上級酒はどれもすばらしい。
更に、普通酒、大辛口酒にとくに他社に無い特徴があります。
原酒には強いアルコール度と旨味を感じます。
特に大辛口酒については、甘味・旨味と辛口のスッキリ感が上手く調和しています。
夏を越した後の想天坊銘柄にはとても期待が持てます。
今年は、NO.117(大辛口)とNO.84(特別純米)とNO.11(普通酒)の3種類の酒をこのままの状態で瓶詰していただくことにしました。すべて原酒。やはりインパクトが違います。
お客様の感じるサプライズが伝わってくる様子が想像できるのです。ホームページ上でも販売していますのでよろしくお願いします。
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