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其の七、 根知男山 根知谷田圃視察 2007年4月10日 |
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2007年4月10日。
今回は新潟県の西の端、富山県と長野県に隣接する山あいの根知という小さな谷にある、根知男山の醸造元として知られる(名)渡邊酒造店の田圃視察に向かいます。
(名)渡邊酒造店では、地元根知谷で1995年より酒米の契約栽培、2002年より自社栽培を始め、酒米生産に適した天賦の地形をもつ、根知谷の優れたテロワールを生かし、これまで日本酒の世界では謳われることのなかった、米作りから酒造りまで一貫した生産体制から生み出される「産地」「品種」「品質(等級)」にこだわった、全国5社のみの特約店限定銘柄「nechi」ブランドを2005年に誕生させました。
「nechi」ブランドでは、従来にない「産地ブランド」という日本酒の新しい領域に踏み込んだ、渡邊酒造店にとって非常に重要な位置付けにある限定銘柄です。
「酒蔵を取り巻く環境の中で、自らが生産した米を使い酒を造る」という試みは、まさにワインでいうところの「AOC」や「ドメーヌ」に通じるものがあります。根知谷の自然に育まれた米の特徴を生かし、気候風土を味わいに映し出した地酒の真髄を追求しています。
さて、(名)渡邊酒造店までの道のりは、当店のある長岡市から関越自動車道に乗って、北陸自動車道「糸魚川インター」まで約2時間です。渡辺社長とは、3月15日(日)新潟市の朱鷺メッセで開催された「新潟酒の陣」でお会いして以来の再会です。
蔵に到着して一通りの説明を聞いた後、小雨が降る肌寒い天候の中、早速渡辺社長の運転する軽トラックに乗って田圃のある根知谷に向かいました。蔵を出るとすぐに根知谷の田園風景が広がります。
ここ根知谷では、南北に500m級の山々が連なり、東の正面には駒ケ岳と雨飾山がそびえ、南北に幅1km〜2km、東西の長さ約7〜8km、東の駒ケ岳から西の日本海に下るなだらかな谷間の盆地をつくっています。
南側の山沿いには、集落が東西に繋がり小さな町が形成されており、その集落と対面の山沿いの田園地帯のほぼ中央部を、東から西に「根知川」が流れています。
この根知川の上流には、「駒ケ岳」と名山の誉れ高い「雨飾山」が望めます。この山々の雪解け水が地下に浸透し、清冽な水を生み出しているのでしょう。そして根知川は、やがて信州から日本海に流れている「翡翠の川」として有名な「姫川」に合流します。
森林のミネラルと酸素をたくさん含んだ清冽な水が、根知谷のそれぞれの田圃を潤し、根知谷のなだらかな傾斜地による、山風と川風が爽やかで冷涼な空気を作り出しています。
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