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其の八、 越乃景虎 諸橋酒造 訪問 2008年2月23日 |
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2月23日(土)早朝、JR長岡駅で東京、横浜の飲食店さんを出迎え、総勢7名で早速に諸橋酒造(株)さんに向かいます。
日々の接客の中で「日本酒の知識や蔵元情報を自らの体験を通じて、より正確に、自信をもって伝えられるように勉強したい」という思いから、週末の忙しい仕事を終えてからの集合。皆さんほとんど睡眠をとれなかったことでしょう。感謝に耐えません。
長岡駅から約30分程で諸橋酒造(株)に到着。諸橋社長様にご挨拶をして、早速蔵見学です。
高橋杜氏に出迎えて頂き、酒造りについて一通りの説明を受けて仕込蔵に入ります。
蔵内には、麹バナというか新酒の香りが漂っています。この蔵の仕込みは半仕舞いです。
昨日に仕込みがあったので、残念ながら蒸しや仕込を見ることはできませんでしたが、洗米・浸漬、麹室、仕込室、上槽、最後に別棟にある精米所の各作業室を高橋杜氏の説明を受けながら見てまわることができました。
見学の途中には、大吟醸の斗瓶の滓引きと粕取りの作業を見ることができました。大吟醸の滓引きは、ゴムホースを使って斗瓶上部の清澄した酒を他の容器に移し替えています。随分と手間隙のかかる作業です。
最後は、今年の新酒大吟醸2点と市販酒の利き酒です。新酒大吟醸は、1つが「山田錦」で、もう一方が「越淡麗(新潟県が開発した新品種酒造好適米)」です。
今年の酒には、この新潟県の期待の酒米「越淡麗」が随所に使用されています。
酵母は、新潟県醸造試験所のG9酵母とアルプス酵母のようです。個人的には、カプロン酸エチル系の強い香りより、G9酵母のメロンや苺のような甘い香りが好きです。
新潟を代表する人気銘柄「越乃景虎」の酒造りについて、蔵人の先頭に立って仕込みに入る高橋杜氏さんよりお話を伺いました。印象に残った項目をあげてみます。
- 酒の中の80%〜85%は水であり、この水は酒質に大きく影響を与える。諸橋酒造では、雪深い山間に蔵があり、良質で多量の水に恵まれていること。
- また、蔵の井戸水もこの名水に勝るとも劣らない良い水であること。
- 蔵のある栃尾地区は、山間地で標高が高く、寒暖の差があり、その棚田からとれる米は寒冷高地米として良質の酒米となること。
- 普通酒の「龍」は、晩酌としてお客様が毎日飲む酒だからこと、手を抜くことなく丁寧に造っていること。
長岡から山間の栃尾に位置するこの蔵に来るたびに思うことは、酒造りに最適の立地に恵まれているということです。美味しい酒を造りたいという高いモチベーションをもった蔵人達が一生懸命に造っているのだから、良質の酒ができるのは当然であると。
さて、蔵見学の後、諸橋家の奥座敷でお茶をご馳走になりました。欅(けやき)の太い柱と梁(はり)、高い天井、さすがに旧家の格式が感じられます。
続いて、旧市内の立派な構えの割烹さんで食事をご馳走になりました。まさかの過分なる御もてなしに皆感謝感激です。広いお座敷の外には淡雪が舞っています。
テーブルには、たくさんのご馳走と入手困難な景虎の銘酒が並んでいます。お酒の飲み方から始まって、お燗酒と食事との相性についても試すことが出来ました。冬の新潟の名物「のど黒」も頂きました。
越乃景虎のお酒は、料理の邪魔をしない、料理の味を引き立てる、どの料理にもよく合う酒です。雪深い新潟県の気候、風土を象徴的にイメージさせる新潟の代表的な銘柄になっていると思います。
今回、快く蔵見学をさせて頂きました諸橋社長様、本当に有難うございました。
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