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現在は日本酒の多様化が求められており、日本酒も様々な名称がつけられ多彩であります。お酒屋さんの店頭に並んであるお酒のレッテルを見ましても、展覧会のごとく多種多様、華やかでございます。
自分の好みに合った酒を選ぼうにしても、何を目安にしたら良いか分からないと言う人が日本酒愛好家の中に案外多い様です。
日本酒のメーカーは、全国で約1,800場、そこで出されている銘柄の主なものだけでも約6,000種以上あります。いろいろな銘柄が出回っているので、目移りしてしまうのも当然でしょう。
一つ一つ呑み比べてみれば良い訳ですが、それは大変なヒマとお金がかかります。そんな時、製品のラベルの表示を読むことをおすすめします。
平成2年4月「製法品質表示基準」が制定されてから表示の表現方法が統一された為、どんなタイプの日本酒か解る様になっています。
まず吟醸酒、純米酒、本醸造酒といった特定名称の表示があります。そのうちの一つを選んだら、ラベル端の小さな表示に注目して下さい。
原材料名、製造時期、容量、アルコール含有度などの明記が義務づけられております。中味について親切な表示をしている所もあります。
原材米の銘柄や精米歩合、甘辛度、酸度、糖分などです。この様な表示も大いに参考にしてほしいものです。
お酒の多様化、目的は、清酒の需要を伸ばす事にあるのでしょうが、各メーカーが独自の製品や他との差別のできる製品を造ろうとする気運が生まれてきました。
さらに、消費者の嗜好に合わせ、消費者の生活態度に対応することが必要になってきました。ここに多様化が重視される根本的基盤があります。
清酒は過去において、少なくとも製造面においての多様化が行われています。酒屋万流と言われた事は、この事を裏書しております。
特に、モトの育成方法や麹の製法には多くの独自性があり、そこから生まれる酒質の多様化があったはずです。
清酒を多様化する方向は過去のものを現代的に再現する道と、過去には無かった新しい型のものの開発という二筋の道しかありません。言い換えれば、清酒本来の性格の中での多様化と、清酒従来の範囲を抜け出てもよい多様化ですね。
清酒本来の中での多様化には、甘口、辛口、淡麗、濃醇、芳香性、酸の多いもの、熟度の進んでるもの、活性清酒、色のあるもの、原酒などがあげられます。
飲み方を考えた冷用酒もありますし、地域別、銘柄別、個性化も根本的に考える必要があるでしょう。
また、第二の新しい型のものでは次のようなものが考えられます。香味が清酒らしくないもの、多酸でワイン型のもの、色調の異なるもの、長期貯蔵した古酒など。
しかし、いずれにせよこれからの多様化製品は、一時的な奇をてらったものではなく新しい伝統品の開発でありたいものです。それには製品の生まれた必然性のある事が必要でしょう。
また、酒造りにバイオテクノロジー活用するにしても、遺伝子工学ではまだかなりの時間を必要とする様ですが、将来的には夢も実現しそうです。
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