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それいゆ ピノ・ノワール 2022年のきろく

 それいゆ ピノ・ノワール 2022年のきろく

”自社畑クロニクル最終章、旭洋酒のヴァラエタルシリーズ「きろく」 ”

栽培醸造家のオーナー夫婦が小規模だからこそできる隅々まで目の行き届いた丁寧な葡萄栽培と醸造に徹し、風土の良さを表現した家族経営の小さなワイナリー旭洋酒の限定品、自社畑で栽培法からこだわり、この土地ならではの美味しさを追求した自社畑のヴァラエタルシリーズ「きろく」のピノ・ノワールです。

多品種をブレンドするアッサンブラージュに比べて、その年の特徴が顕になるモノ・セパージュ。そのシリーズ名を「きろく」としたのは、もはや高品質を競って何らかの記録"record"を目指さない事を表明するためでもあります。

標高約450mの粘土質斜面にて棚式短梢剪定、不耕起草生栽培で樹齢は古い樹で22年になります。元々適地とは言えないこの地での栽培ですが、灰色カビ病対策のために花カス落としを励行、通気性素材の雨除け傘をかけて房の温度を低く保ち、酸を残すなど、他品種よりも念入りな対策を講じてきました。

収穫はブルゴーニュ系とスイス系の2系統につき、それぞれ樹ごと房ごとに熟度チェック、着色の悪い樹はロゼ用に分別し、二回に分けて収穫しています。

2019年頃から温暖化の影響が深刻となり、成績の悪い樹を伐採して他品種への切り替えを進めている中、2022年は休眠期に施した有機資材の影響で、おおよそ半分の区画で芽吹きが阻害されるというアクシデントがありました。

生育期の天候は6月中に一旦梅雨が明け、その後1週間以上、6月としては記録的(当時)な猛暑日が続きましが、その後二回目の梅雨に突入、収穫期までずっと雨が多い年でした。その結果、最終的には前年より更に少ない一樽半(ハーフ樽使用)のみの生産量となっています。

醸造では、全除梗後コールドマセレーションを行い、培養酵母を添加せずに野生酵母による醗酵(野生酵母による醗酵は、全ワイン中このワインのみ)を行っています。また、この年は未熟な種の収れん味を抑える目的で、醸し中の種抜きを行い、やわらかな果実味を引き出すように努めました。アルコール醗酵後は、自然誘発によるマロラクティック醗酵が完遂され、その後9か月間フレンチオーク樽で熟成(新樽率33%)、春に一度滓引きし夏にノンフィルターで瓶詰しました。

オレンジがかった淡い色合い。焼き栗、金柑、乾燥した柿や枇杷の葉など、甘やかな中に乾いたグリーンノートが柔らかく香る。口中では、サンザシや無花果を思わせる穏やかな果実味が、上級茶のような緩やかなタンニンを纏って伸びゆきます。余韻は長く、アフターに金柑ピール様の心地よい苦み。

淡い色合いと軽い飲み口ながら、細く長くつづく旨味があり、和の出汁とよく合います。鴨南蛮、そばがき、明石焼き、出汁巻など。柿とカッテージチーズ、合鴨ソテーオレンジソース、イチジクの白和えなど、ライトな赤ならではの生のフルーツを使った料理もお薦めです。鴨焼きや熟成鮨、トリュフ入りチーズとも◎

■葡萄品種:ピノ・ノワール
■産地/畑:山梨市岩手(いわで)地区自社畑
■貯蔵/熟成:樽熟成9か月(新樽率33%)
■タイプ:
■アルコール度:11.5%

■納期:通常1〜3日
■生産本数:509本
■保存:冷暗所
■配送:普通便
■化粧箱:無し

NO.3-8-66  720ml 税込 3,960円  



【 きろくシリーズコンセプト 】
植え付けから古い樹で20年以上の歳月を経た自社畑の欧州種。その年もっとも良く熟した房のみを選別して収穫・醸造し、これまで平仮名の「それいゆ」シリーズとしてリリースしてきました。世界の銘醸地に比べて温暖湿潤な日本の山梨で、世界共通品種でどこまでのものが作れるのか。日本の山梨の、私たちならではの味わいとはどんなものなのか。それを知りたくて私たちは樹を植えました。

それから20年。幾度かの当たり年を経験する事ができたことはとても幸せでしたが、温暖化の影響は当初の想像をはるかに超え、この20年で豪雨や長雨の被害、高温化によるブドウの着色障害などが顕著となりました。質量ともに安定した地域を産地と呼ぶとすれば、それは確実に、標高と緯度の高い地域に移っています。

現在自社畑では温暖化に対応しいくつかの別品種の栽培をスタートしています。これらの品種をブレンドして質・量ともにバランスのとれたワインを生産する事は理にかなっています。

しかし一方で、気候条件に恵まれさえすれば良いワインが作れるのか、そもそも良さとはどういうことなのかと、折に触れて考えるようになりました。そして、良さというものが喜びや幸福に関係づけて語られるのであれば、それはそのものの中に存在するのではなく、そのものを通じて開かれる喜び、生の肯定、感謝の気持ちに他ならないと考えるようになりました。それは追い求めて勝ち取るようなものではなく、与えられた環境や変化をまず受け入れることによって開かれる地平ではないかと。

そこで自社畑では、品質の良さで記録を目指すのではなく、この加速する温暖化の中で、一年ごとのワインの営みを忠実に記録していくことを、これからの20年のワインづくりの目的とする事にしました。

もしも死の直前に、走馬灯のように過去の思い出が蘇るとしたら、それは、雨上がりのブドウの葉が陽に照らされて輝く光景、美味しそうに葉を食べるイモムシ、忙しく動き回るテントウムシ、そして一緒に収穫した仲間たちや、訪れてくれた人たちの笑顔がちりばめられた映像であろうと思います。

一つ一つは何でもないシーンでも、辛く苦しい痛みの記憶の上にそっと積み重ねられていく色のように、生きる喜びを補給してくれた風景。それらを写し取るように、毎年のワインを記録していきたいと思います。

エチケットデザインを依頼した版画家の雨宮千鶴さんが、コロナ禍で一日一枚製作した小さな作品群「日々の形跡」"Daily Traces"。まさにそのような姿勢で、過酷な状況下で実ったその年年のブドウと、それと共に生きた私たち自身の、最後の年次記録"chronicle"として、このシリーズを可能な限り続けていきます。


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