創業宝暦元年(1751年)、新潟は越の国、脊梁をなす飯豊連峰・三国山脈・立山連峰を越したところに豊かな田園が広がっています。この穀倉地帯に冬の積雪が春から夏へ融けて流れ、越後平野を潤し、秋の豊かな実りをもたらしてくれます。柏露酒造のふるさと新潟県長岡市は、越後平野の中央に位置し、昔から長岡藩の城下町として栄え、越後の良質米の集散地として賑わってきました。
この地域は、冬の厳しい寒さに加えて日本でも有数の豪雪地帯であり、降り積もる雪が空気を清め、地上を清め、大地を潤す...
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創業宝暦元年(1751年)、新潟は越の国、脊梁をなす飯豊連峰・三国山脈・立山連峰を越したところに豊かな田園が広がっています。この穀倉地帯に冬の積雪が春から夏へ融けて流れ、越後平野を潤し、秋の豊かな実りをもたらしてくれます。柏露酒造のふるさと新潟県長岡市は、越後平野の中央に位置し、昔から長岡藩の城下町として栄え、越後の良質米の集散地として賑わってきました。この地域は、冬の厳しい寒さに加えて日本でも有数の豪雪地帯であり、降り積もる雪が空気を清め、地上を清め、大地を潤す。また厳冬期でも極端な低温にはならず、日中と夜間の温度差が比較的少ないことから、低い気温で安定しています。こうした自然環境は清酒造りに最適といえます。
柏露酒造は、越後長岡(新潟県長岡市)にて激変する歴史の中をくぐりぬけ、酒という食文化の一端を担ってまいりました。そしてこの間、1882年には「柏露(はくろ)」の由来となった長岡藩主牧野家の興した酒造蔵を譲り受け、同家の「三つ柏」紋の使用と商品名「柏露」を継承するという出来事もありました。酒造りに携わる人は時とともに変わりますが「多くの人々に喜ばれる美味しい酒を造る」という姿勢は一貫して今に受け継がれています。
この伝統を最良の資質として、新潟の酒造好適米「五百万石」を主な原料に、酒造りに恵まれた環境の中、越後杜氏の伝統的な技と若手のパワーの結晶が融合し、充実した近代的製造設備との調和のもと、手作りの良さを活かした深い味わいと高品質な酒を醸し出しております。
また、近年あらゆる商品において消費者ニーズの多様化が進み、日本酒の世界も例外ではありません。柏露酒造では、頑ななまでに伝統ある日本酒の良さを守り、より一層の向上を図るため、日頃のたゆまぬ品質管理はもとより、常に時代の変化に対応した新技術の研究、新商品開発への取り組みに力を注いでおります。
伝統的な職人技ともいえる酒造りの世界に、科学的なアプローチを試みる商品開発室を設置しています。その活動は、酒造りの工程別のデータ化や香味成分の研究、あるいは差別化商品の開発などです。
主力ブランド「さんずい」は、「日本酒を愛するすべての人たちの明日を潤す一滴」をコンセプトに、創業270年を迎えた今だからこそ原点に戻り、更なる美味しい酒造りを追及した逸品です。「シ(さんずい)」偏は水を表し、他の漢字につけられてその意味を成します。酒蔵の命とも言える水と、伝統的な技術が出会うことで醸される清酒造りの原点を表現しています。ブランドの軸として新潟県産の「水・米・酵母」にこだわって酒造りを行っています。
原料米には、日本全国数ある酒米の中で今一度原点に立ち返り「新潟県産米」を全量に使用。特に麹米には新潟県農業試験場が開発した全国に誇る酒造好適米「五百万石」を用いて、スッキリとした中にも旨味を感じられる味わいを求めました。仕込み水は、蔵から車で15分ほどの蓬平(よもぎひら)地区の水を使用。冬は5mに及ぶ積雪があり、その雪解けから豊富な湧き水がある山古志地区の玄関口です。水質は軟水であるため、比較的発酵は穏やかですが、その分、なめらかできめ細かい酒を造るのに適しています。
酵母には、新潟県醸造試験場(都道府県立として全国で唯一の日本酒専門の試験場)で開発された「新潟G9酵母」を使用。県内の酒蔵限定で使用できる酵母で、香りのバランスが良く酸味も穏やかです。
「さんずい」ブランドでは、新潟県産の原材料にこだわり、小仕込みを基本として、きめ細かい醪(もろみ)管理を実践することにより、精度の高い酒造りを行っています。また、搾ってすぐに瓶詰めし、貯蔵することで丁寧な品温管理ができ、搾りたてのフレッシュさを最大限にキープすることを実現可能にしました。日常に彩りを添える「華やかな香り」と「心地よい甘みと酸味」が特徴です。
今後も皆様に愛される新潟の銘醸蔵として、酒文化の担い手として、その歴史と伝統を生かしながら未来に向け酒文化の伝承に努めてまいります。今よりもっと旨い酒、愛される酒を。
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