創業大正9年（1920年）、東北の名門「タケダワイナリー」は、樹氷で名高い蔵王連邦の麓、山形かみのやま温泉郷よりほど遠くない南向きの高台に位置し、東南斜面に広がる約15haにもおよぶ自家農園で、国産ワインとしては早い時代から大変な努力と試行錯誤を繰り返し、ドメーヌのワイン造りを実践してきた日本でも稀有なワイナリーです。

創業以来、「良いワインは良い葡萄から」をモットーに約二十年の歳月をかけ、土の本質に根差した有機的な方法で土壌改良を行い、．．．もっと見る

創業大正9年（1920年）、東北の名門「タケダワイナリー」は、樹氷で名高い蔵王連邦の麓、山形かみのやま温泉郷よりほど遠くない南向きの高台に位置し、東南斜面に広がる約15haにもおよぶ自家農園で、国産ワインとしては早い時代から大変な努力と試行錯誤を繰り返し、ドメーヌのワイン造りを実践してきた日本でも稀有なワイナリーです。 創業以来、「良いワインは良い葡萄から」をモットーに約二十年の歳月をかけ、土の本質に根差した有機的な方法で土壌改良を行い、葡萄栽培に適する土地を築き上げ、低農薬で化学肥料を使用しない自然農法栽培による葡萄栽培を行っています。除草剤散布をしなくなった葡萄畑には、下草が青々と茂り、春にはタンポポが花を咲かせます。 タケダワイナリーの五代目として葡萄栽培責任者兼、醸造家を務める「岸平典子氏（旧姓・武田典子）」は、玉川大学農学部卒業後、1990年にフランスへ渡り、フランス国立マコン・ダヴァイ工醸造学校上級技術者コースを専攻した後、醸造学者ジャック・ピュイゼ主催のフランス国立味覚研究所にて研修、そしてボルドー大学醸造研究所ティースティングコースを修了し1994年に帰国。2005年には代表取締役に就任されています。 先代から受け継いだ歴史、そして土壌を受け継ぎ、「土の特性、気候の特性を掴んでそれを生かした葡萄造り、ワイン造り」を目指し、減農薬・無化学肥料に加え、ビオディナミ農法や天然酵母、サン・スーフルにも挑戦し、より自然派のワインに取り組んでいます。そして、葡萄栽培から手摘みの収穫、醸造、フレンチオークによる樽熟、瓶詰め、出荷にいたるまで全ての工程を一貫して農園内の自社ワイナリーで丁寧に行われます。 東南斜面に広がる日当たりと水はけの良い自社畑では、ヨーロッパ系の高級ワイン専用品種であるカベルネ・ソービニョン、メルロ、シャルドネなどを垣根仕立てで栽培しています。上質な土壌で大切に育てられた平均樹齢二十年を超える古木、工夫を凝らした垣根仕立てから生まれる葡萄は、驚くほど粒が小さく、凝縮した実をつけています。 スタンダードなディリーワイン「蔵王スターワイン」をはじめ、華麗なる日本初の高級発泡ワイン「ドメイヌ・タケダ《キュベ・ヨシコ》」や、タケダワイナリー秘蔵のヴィンデージシリーズ、自家農園の葡萄が最高に達した年のワインだけが名乗ることの出来る最高級ワイン「シャトー・タケダ」は、国産ワインとは思えない風格を備えており、全国各地の根強いファン、愛好家の方々はもちろん、ソムリエの方々からも高い評価を得ております。特に、「シャトー・タケダ」ヴィンテージワインは、その一滴に芳醇な香りと濃厚な味わいを凝縮した、まさにワイナリーを代表する日本の「グラン・ヴァン」です。 東北でも屈指の生産量を誇るワイナリーながら、創業以来輸入ワイン（バルク）、濃縮果汁（マスト）を一切使用したことがなく、山形の風土で育まれ土作りから始めた葡萄栽培、ワイン醸造にこだわり続けるその高い志、たゆみない努力が今日の成果に繋がっています。