創業明和二年（1765年）、河忠酒造が蔵を構える長岡市旧三島町の起源は古く、旧石器時代の遺跡をはじめ、三島地域の先史を代表する縄文時代の集落跡である千石原遺跡や根立遺跡、山城跡の小木城や鳥越城など多くの史跡を残しています。また、東部一帯は黒川が平坦地を貫流して優良な稲作適地を形成し、西山連峰が南北に縦走する西部はその大半を山間地が占め、緑豊かな山林資源に恵まれた自然環境です。

2000年1月、河忠酒造の若き後継者である九代目「河内忠之氏」の情熱と越後流の第一人者「郷良夫杜氏」の技．．．もっと見る

創業明和二年（1765年）、河忠酒造が蔵を構える長岡市旧三島町の起源は古く、旧石器時代の遺跡をはじめ、三島地域の先史を代表する縄文時代の集落跡である千石原遺跡や根立遺跡、山城跡の小木城や鳥越城など多くの史跡を残しています。また、東部一帯は黒川が平坦地を貫流して優良な稲作適地を形成し、西山連峰が南北に縦走する西部はその大半を山間地が占め、緑豊かな山林資源に恵まれた自然環境です。 2000年1月、河忠酒造の若き後継者である九代目「河内忠之氏」の情熱と越後流の第一人者「郷良夫杜氏」の技により誕生した銘柄「想天坊」は、越後流の個性豊かな淡麗旨口を昔のままに復活させた地酒です。 酒の銘である「想天坊（そうてんぼう）」の由来は、地元旧三島町の昔話に登場する伝統の山の名前です。「天（天候や自然環境）」の恵みを常に「想」いながら酒を造る「坊（人や町）」でありたい」という意味にも探ることが出来るので、地元の米、水、人で醸した酒には最高の名前として命名されています。 想天坊では、越後の伝統的な酒造り「越後流」にこだわり、甑によるむらのない蒸し米造り、全量手造りによる箱麹の麹造り等、手造りの基本を活かしたキメ細やかな酒造りを継承し、酒造りの方向性として「淡麗でありながら綺麗な米の旨味が感じられ、ふっくらとしてスッとキレのある淡麗旨口の味わい」を特徴としています。 地酒とは地元の米と水、人で造る酒という信念の基、越後杜氏伝承の酒造技術と相性の良い、蔵の背後に連なる西山山系の伏流水を仕込水に、長岡三島の蔵ならではの個性をいち早く確立するため、先々代の頃より地元農家と契約栽培する酒米「高嶺錦」を用いて越後流にこだわった酒造りを続けています。 想天坊の代名詞的な存在「高嶺錦」は、「地元に長く根付いた米で酒を造りたい」と先代の頃より契約農家の理解と協力を得て育て上げたこだわりの酒米、また新潟清酒の酒造技術の確立に大いに貢献した新潟吟醸造りに欠かせなかった酒造好適米でもあります。今ではJAS認定有機無農薬のあいがも農法による「高嶺錦」の栽培や新潟の新品種酒造好適米「越淡麗」の栽培にも着手し、米へのこだわりをさらに深めています。 現在蔵では活気に満ちた若い蔵人達が無限の可能性に挑み、先代の名杜氏「郷良夫氏」の技と精神を受け継ぎながらも、新しい世代に相応しい酒造りを目指し、更なる飛躍をしようと日々努力を重ねています。