山形県庄内地方にある全長30km以上の砂丘地、クロマツ林に囲まれた蔵「東北銘醸」のある酒田市は、最上川が日本海に出会う町、北に名峰鳥海山を望み、東には出羽三山が連なる庄内平野の中心都市として栄えた港町です。対馬暖流の影響を受けた温暖湿潤な気候が日本有数の穀倉地帯を形成し、酒田米穀取引所の付属倉庫として百年以上前に建造された山居倉庫は、今も現役の農業倉庫として活躍しています。

創業明治二十六年（1893年）、江戸時代には「西の堺、東の酒田」と謳われ、海上交通の要所として発展してきた港湾都市・酒田市．．．もっと見る

山形県庄内地方にある全長30km以上の砂丘地、クロマツ林に囲まれた蔵「東北銘醸」のある酒田市は、最上川が日本海に出会う町、北に名峰鳥海山を望み、東には出羽三山が連なる庄内平野の中心都市として栄えた港町です。対馬暖流の影響を受けた温暖湿潤な気候が日本有数の穀倉地帯を形成し、酒田米穀取引所の付属倉庫として百年以上前に建造された山居倉庫は、今も現役の農業倉庫として活躍しています。 創業明治二十六年（1893年）、江戸時代には「西の堺、東の酒田」と謳われ、海上交通の要所として発展してきた港湾都市・酒田市で、当時回船問屋を営んでいた初代が、旧庄内藩酒井家から酒造技術を学び、「金久（きんきゅう）」という銘柄を世に送り出したことから始まります。昭和初期になると、当主に長男が誕生したのを機に、皆に愛され喜ばれる酒にしたいと願いを込めて酒名を「初孫(はつまご)」と改めました。 平成５年に誕生した限定銘柄「砂潟（さかた）は、恵まれた自然のもと、酒田の砂丘地にある井戸水を用い、品質的にレベルの高い設計に基づいて醸し上げた付加価値の高い特醸酒です。砂潟酒吟会の加盟店にのみ流通を限定することにより、品質の安定と供給を保ち、伝統の生モトに研鑽を重ねたこだわりのブランドです。 同社最大の特徴は、創業以来一貫してこだわり続ける昔ながらの伝統技法「生モト造り」にあります。生モト造りは、清酒酵母以外の生き物の繁殖を抑えるにあたり、空気中の乳酸菌を活用する製法、長年培われた技術と経験が必要であり、現在生モトで仕込む蔵は全国的にも数少ないとされています。 生モト造り一筋の理由は、時間と手間のかかる生モトにこそ、酒本来の旨みがあると信じ、そこには、時代が変わっても変わらない信念、酒造りの原点を見つめた品質へのこだわりがあるからに他なりません。 自然界の営みを巧みに誘導することにより育成される酵母は、醪において健全で、しかも旺盛な発酵をもたらすため、力強くしっかりとした酒質になると言われています。そして、醸し出された酒は、味わいに巾と奥行き、しっかりとした旨さのある深い味わい、切れ味鋭いスッキリとした綺麗な後味を実現します。 庄内平野の豊かな自然に抱かれ、隅々まで行き届いたクリーンな環境のもと、伝統技術の継承と最新設備の活用を心掛け、地方の風土が息づく「酒の酒田」ならではの豊かな味わいを発展させています。